『曽根崎心中』の冒頭はお初が大坂三十三ヶ所観音巡りをする場面。その第一番札所がここ。弘法大師が821(弘仁12)年に開基し、太融寺の名前は『源氏物語』のモデルのひとりとされる源融(みなもとのとおる)が、父・嵯峨天皇の遺志を継いで伽藍(がらん)整備を行ったことに由来。大坂夏の陣で焼けながらも復興。境内には豊臣秀吉の側室・淀殿の墓が建ち、大坂城落城とともに自刃した命日の5月8日には毎年法要が行われる。