• 大阪市中央公会堂
  • 音声ガイドあり
  • 第十三景

「中之島のアイコン」を一つだけ選べば……

大阪市中央公会堂
大阪市北区 中之島1-1-27
TEL 06-6208-2002
9:30〜21:30(電話受付〜20:00)
第4火曜、12/28〜1/4休(祝日は開館、翌平日は休館)

周囲の中之島の景観をぎゅっと引き締める、大阪で最も有名な赤レンガ建築。
1918(大正7)年開館。市民に100年以上親しまれている理由は、
ネオ・ルネッサンス様式建築の荘重さや華麗さだけでなく、
公会堂設立の端緒を開いた若き実業家・岩本栄之助の
キャラクターによるところが大きいと思われます。

「義侠の相場師」と呼ばれた岩本栄之助

「生みの親」に会える地下1階展示室

株式仲買商の岩本栄之助は1909(明治42)年、渋沢栄一団長率いる渡米実業団に参加。ニューヨークのカーネギーホールで、「富豪ガ公共事業ニ財産ヲ投ジテ公衆ノ便宜ヲ謀リ又ハ慈善事業ニ能ク遺産ヲ分譲セル」さまに感激し、自らの方向性を決めた。具体的には人々が出会い、議論し、演奏し歌い踊れる場=公会堂を中之島に建設することだった。父の遺産と私財を合わせて100万円(今なら50億円)という大金を大阪市に寄付。岡田信一郎の設計図をもとに、辰野金吾・片岡安の実施設計で工事が進められた。が、相場で膨大な損失を出して窮地に立たされた岩本は開館を待たずに1916(大正5)年、自ら39年の生涯を閉じた。地下1階の展示室では、100年を超える公会堂の歴史に触れられるほか、岩本ゆかりの品々を見ることができる。

地下1階、木製ベンチの座席裏は帽子が収納できるようになっている

特別室は必見!
スタッフによるガイドツアーで

通常、自由に見学できるのは地下1階の展示室や、保存されている開館当初の椅子などに限られているので、館内で一番の見どころの特別室(かつての貴賓室)に入れるガイドツアー(30分・有料)はお薦め。室内には、大アーチを生かした写真の天井画や東面のステンドグラス(鳳凰と大阪の市章をデザイン)など、今では再現できない職人の技巧が施され、部屋そのものが芸術品と言われている。

特別室の天井画は松岡壽による「天地開闢」

伝記でおなじみのあの人もこの人も

科学者アインシュタイン(1922年)や社会福祉活動家ヘレン・ケラー(1937年から55年まで3回)、宇宙飛行士ガガーリン(1962年)も中央公会堂で講演を行っています。世界的なクラシック音楽家やバレエ団の公演なども頻繁に行われていた。

世界の偉人たちの「格」にも遜色ない、1,100席を超える大集会室